新訂万国全図 東半球・西半球(写)
日本が中央に。江戸の最先端世界地図。
三好学・牧野富太郎編
1907(明治40)年刊 西尾市岩瀬文庫蔵
ヨーロッパアルプスの高山植物図鑑にならい、日本の高山植物約600種を掲載した「日本高山植物図譜」。植物の新種や新品種など1500点以上を命名して「日本植物分類学の父」と呼ばれる牧野富太郎(1862~1957)と、岐阜出身で東京帝国大学植物学教授を務めた三好学(1862~1939)が手がけた。
鋭い観察力と精密な描写で描かれた植物図に簡潔な解説が添えられた書物はコンパクトで、「山で観察する時に持ち運びやすくという配慮を感じる」と、西尾市岩瀬文庫学芸員の上野加耶子さんは話す。
色鮮やかで細密な植物図は、版に直接描画する石版印刷によるもの。牧野は代で「日本植物志図篇」編纂を目指した頃から石版印刷技術を習得。製版にも一切妥協せず、植物の真の姿を写し出そうとした。
※会期は2月12日まで。