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梅一筋宣言! 中田食品(本社・和歌山県)

 明治30年創業、和歌山県に本社を構え、梅干し・梅酒の製造販売をする中田食品。梅好きが高じて中田食品に転職し、ゆかりのなかった和歌山県に引っ越したという営業本部・井橋優花さんに梅について語ってもらいました。(構成・島貫柚子)

 

◆「梅王国」和歌山県

 和歌山の梅の収穫量は、1965年から58年連続全国1位で、2022年の梅の生産量は全国の67%を占めています。梅栽培の始まりは約400年前、江戸時代の紀州藩田辺領ではやせ地が免祖地になったことから、農民が梅を栽培したことだと言われています。

 みなべ町・田辺市では、いたるところに梅畑が広がり、梅の花が咲く時期に道を歩いていると梅の香りを感じることができます。梅干しや梅酒にする実を収穫するための実梅の栽培が多いですが、山一面に咲いた梅の花の迫力は生産地ならではの魅力です。お花見を目的として多くの観光客の方が訪れるなど、産地ならではの観光スポットとしても毎年賑わいをみせます。収穫期になると社内のチームメンバーの中にも朝、梅の収穫をしてから出社している方がいたりと、地域全体で梅の産業を支えていることが感じられます。 

  

 

◆南高梅とは 

 和歌山の中南部、熊野古道のある田辺地域で主に収穫される白梅で、梅の最高級ブランドです。和歌山県立南部(みなべ)高校にちなんで「南高」と名付けられたそうです。正式な読みは「なんこううめ」。皮が薄く、種が小さく、果肉がやわらかいのが特徴で、梅干し用としては最高品種といわれ多くの方に愛されている産地を支えているブランド梅です。

 

 

◆おいしさの秘密 

 梅の木の下にネットを敷き詰め、黄色く完熟した梅が自然に落下するのを待ってから、収穫します。自然落下した梅は完熟しているのですぐに漬け込む必要があり、産地でしか取り扱うことができません。梅の実は繊細なため、オートメーション化には適さず、人の手でていねいに収穫・加工され、梅干しや梅酒が作られています。そのため、人出を必要とする梅の町は、近年はワーケーションの場としても活用されています。

 

◆地域の取り組み

 南高梅等を原料とした紀州梅酒や梅ジュースによる乾杯の奨励がされています。田辺市の飲食店には、この条例が記載されているポスターが掲出されていたりと、地元の方は誰しもが知っている施策です。日常に梅を取り入れていくことで地域の活性化を図っています。

 

◆中田食品の取り組み

 自然落下した梅は完熟しているのですぐに漬け込む必要があり、紀州の梅産地では梅農家に塩漬け、天日干しまでの一次加工を担っていただいています。当社のような梅干しメーカーが脱塩や味付けなどの二次加工を行い、商品としてお客様へお届けしております。

 近年の生産者の高齢化や後継者不足を受けて、生産者の作業負担を一部軽減できるよう、青梅の塩漬け作業や天日干し作業を効率的に行える漬込み工場を整備して分業化を進めています。

 梅の振興を目指し、梅干しという食文化を継承するため、「梅一筋宣言」を合言葉に、時代のニーズに合わせた商品開発、SNSなどを通じて新たな食シーンの開拓などを今後も行っていきたいです。

 

 

 

中田食品(@nakatafoods) • Instagram写真と動画

【紀州梅の里なかた】オンラインショップ (nakatafoods.jp)

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