普段、チャーハンはあまり食べないんです。おなかがいっぱいになってしまい、ほかのものが入らなくなるから。でも「十八番」のチャーハンは特別。パンチの利いた味つけで、疲れた時にガツッと食べたくなります。

　しっとりしたご飯に特製しょうゆタレで煮詰めたチャーシュー、タケノコ、ニンジン。特に歯ごたえのあるタケノコの食感がいいんです。マネジャーの親族の店なので、旦那さんが手首を痛めながらもチャーハンを一生懸命作っている話を彼女から聞くと、よりありがたみを感じます。
　ラジオの収録後、スタッフと行くことが多いかな。ほかにもギョーザ、サンラータンメン、きゅうりとチャーシューのからしあえなど何でもおいしい。チャーハンはボリュームがあるのでみんなでシェアするか、食べきれなければ大女将（おかみ）が袋に入れて持たせてくれる。翌朝、フライパンに油を引かずに温めるだけで店の味が再現できるのもうれしいですね。
　にぎやかで庶民的な雰囲気が大好き。仕事仲間と行くといつも「最近どうよ？」ってプライベートのつっこみ合いに。店の人たちはあうんの呼吸で何もかもがスムーズで、チャーハンは「十八番」のチームワークを象徴する逸品。この空気感の中にいると、私も仲間とのコミュニケーションが高められます。

（聞き手・片山知愛）

　◆東京都中央区新川2の7の7（☎03・3553・1081）。ランチ900円、ディナー930円（ともにスープ付き）。［前］11時半～［後］2時、5時半～10時（ラストオーダーは料理1時間前、ドリンク30分前まで）。［土］［日］［祝］休み。

　さかもと・みう　ミュージシャン。1980年生まれ。「坂本美雨のディア・フレンズ」（TOKYO␣FM／JFN系全国ネット）のパーソナリティー、「日曜美術館」（NHK・Eテレ）の司会を務める。現在ニューアルバムをレコーディング中。