読んでたのしい、当たってうれしい。

勝俣州和さん
雷門うなぎ色川の鰻重たっぷり

勝俣州和さん

 グルメロケがきっかけで30年近く通っています。創業は1861年。年季が入った建物は背筋を伸ばしたようなたたずまいです。


 脂がのったウナギを備長炭で丁寧に焼くので、身がふっくら。絶妙な炊き加減のご飯と甘さと辛さが調和したタレが、ウナギの味を一層引き立てます。全てが100点満点。ウナギも米も重箱にぎっしりとつまった「勝俣バージョン」と自分で呼んでいる大盛りサイズをいつも頼んでいます。


 通い始めの頃、僕は30代でした。ウナギは「串打ち3年、裂き8年、焼き一生」なんて言われるけど、ここの大将は年数に甘んじることなく、串打ちも裂きも焼きも、いつも全力だった。「お客さんとは一対一の真剣勝負。食べて笑顔になってくれることが俺の喜び」だって。かっこよかったな。


 僕の仕事も台本通りできて60点、その日の出演者を生かして現場を盛り上げられたら80点になる。下調べなど、入念な準備は欠かせません。真剣勝負が笑顔を引き出す。芸能の心得も大将に教えてもらいました。


 大将は11年前に亡くなりましたが、奥さんと娘さんが味を守っています。ピリッとした江戸っ子口調の接客も隠し味。毎年5月の三社祭は色川の半纏を着てみこしをかついでいるので、今年も楽しみですね。

(聞き手・佐藤直子)
 
 
◆東京都台東区雷門2の6の11(☎03・3844・1187)。午前11時半~午後2時(売り切れ次第終了)。5200円。原則日・祝日休み。
 
 


 かつまた・くにかず
 タレント。1965年生まれ。88年アイドルグループCHA-CHAのリーダーとして活躍。「朝だ!生です旅サラダ」(朝日放送系)のほか、著書に「全力疾走するバカになれ」(小学館)。

(2025年4月3日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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