「元祖ニュータンタンメン本舗」のタンタンメン 大辛 純烈を結成する前、俳優として活動していた頃によく通ったお店です。
友人で漁師の友明さんが「こんなん作ってみてんけど」と、うちにもってきたことから生まれた兵庫県淡路島特産のハモのかば焼き丼です。
ハモは京都の料亭で出すことが多く、太すぎず細すぎないものが好まれます。そこで規定外となった太く脂ののったハモを、1匹まるまる使っているんですよ。煮付けたタマネギの甘みが淡泊なハモによく染みこんで、繊細でありながら大胆な味。淡路のタマネギって、僕は日本で一番うまいと思ってるんで。
芸人になる前はおすし屋さんで働いていました。料理って、レシピ通りに作っても絶対にぶれるんですよ。それが楽しくて、まずは食の道に進みました。当時はバブルの時代、世の中みんなお金持ちのにおいがしました。自分のお店を出すにはお金を握ってからだと思い、稼ぐのに手っ取り早そうな芸人になったら抜けられへんくなったんです。
コロナ禍のとき、淡路島に別荘を持ちました。古き良き街並みが残っていて、魚も肉も野菜もおいしくて、本当に魅力のある島ですね。漁師の友だちがもってきてくれた魚を、家でよくさばいています。近所の人たちがいい人ばかりで親戚づきあいみたいになっています。島に渡ると気持ちがリセットされますね。
(聞き手・深山亜耶)
◆兵庫県淡路市岩屋1414の49(☎0799・72・0055)。3190円。数量限定。秋ごろまで提供予定。午前11時~午後3時、4時半~8時((土)(日)(祝)は10時半~8時、ラストオーダーは30分前)。(水)休み。
くろだ・たもつ お笑い芸人。1970年生まれ、大阪府出身。91年にあいはらと「メッセンジャー」結成。MBSラジオ「それゆけ!メッセンジャー」、NHK連続テレビ小説「ブギウギ」などに出演。