蝶々(大)と玉石
ゆらめく青の中を舞うチョウチョ。タイルの新しい楽しみ方。
多種多様な造形美を生み出す折り紙作家・布施知子。国内外で展覧会を開くほか、手がけた折り紙の指南書も数多い。本作のように複数のパーツを組み合わせた「ユニット折り紙」の第一人者と呼ばれている。
布施は1951年、新潟県生まれ。折り紙との出会いは小学生時代、入院中にユリの折り方を教わったことから。薬包紙でユリを折り、それらをつないだくす玉を作ったという。
本作は、伝統的なくす玉のような球形。480枚もの同形パーツを組み上げ、無数の巣穴を表現した。「何百枚も同じ形を折り、それらをぴたりと合わせて立体にする。想像するだけで気が遠くなるような作業から、緻密(ちみつ)で華やかな作品が生まれている」と、ヤマザキマザック美術館主任学芸員の吉村有子さんは紹介する。
会場では本作のほか、816枚組みや1080枚組みのユニット折り紙作品も展示している。