いろどり
美濃焼の風合いでレトロな味わい。釉薬で量産品がアートに。
丸みを帯びた大小の玉石タイルが一面に広がり、水面にも夜空にも見える。ゆらめく青の中に、ひらひらと舞うチョウのモチーフが。
製作した多治見市のタイルメーカー鈴研.陶業は、アクセサリーなどのブランド「七窯社」も展開する。建物を彩ってきたタイルの新しい楽しみ方を提案しようと、タイル生地を焼き上げてピアスやブローチなどを製作。そのモチーフに動植物も採り入れている。
本作が展示されているのは、岐阜県東美濃地方のタイルメーカーや商社などが製作したタイルのパネル242枚が並ぶ小部屋。幾何学模様が多くを占める中で、チョウが目を引く。
「観覧する方々から『チョウ見つけた!』と喜ぶ声も聞こえてくる」と、多治見市モザイクタイルミュージアム学芸員の清水雄也さん。「昭和期の浴室などに用いられてきた玉石タイルと交ざり合っていて、遊び心を感じられます」