ふじのくに茶の都ミュージアム
稜線が白く浮き上がる富士山の手前に、緑の3本線で茶畑を表現した。数本の線を組にした「吹き寄せ」の縦じまは、小堀遠州が提唱した「綺麗さび」を意識。
長ーい3本柱、ダリのほかにも
福島県・磐梯高原の諸橋近代美術館は県出身の実業家・故諸橋廷蔵氏が収集した美術品を核に1999年開館した。シュールレアリスムを代表する画家サルバドール・ダリ(1904~89)のコレクションで知られ、絵画や彫刻、版画など約340点を所蔵する。
ロゴマークは開館10周年を機に制作。長い3本の横線が諸橋の「モ」であることに瞬時に気がつく人もいれば、そうでない人も。「あっと気づいた時に面白がってもらっています」と広報の久納紹子さん。
ダリのトレードマークだった口ひげ、たびたび描いた時計や卵、奇抜な赤色を採り入れる案もあったが、看板に利用することも考えて、景観に配慮したシンプルなデザインに落ち着いた。
学芸員の佐藤芳哉さんは「モダンのモでもある」と話す。ダリのほかにセザンヌ、ルノワール、ピカソら印象派以降の西洋近代絵画、現代英国作家PJクルックの作品を所蔵、多角的な展示をめざす。「決してダリだけではない、館の三つの柱を表したロゴだと感じています」
◆諸橋近代美術館 福島県北塩原村桧原剣ケ峯1093の23(問い合わせは0241・37・1088)。午前9時半~午後5時(入館は30分前まで)。26日まで冬季休館。展示替え期間と冬季(2022年度は11月14日~23年4月下旬予定)休み。