ふじのくに茶の都ミュージアム
稜線が白く浮き上がる富士山の手前に、緑の3本線で茶畑を表現した。数本の線を組にした「吹き寄せ」の縦じまは、小堀遠州が提唱した「綺麗さび」を意識。
光で描く芸術へ 扉を開けて
写真・映像の専門館として1995年に開館した東京都写真美術館。2016年のリニューアルの際、英語名をTOKYO PHOTOGRAPHIC ART MUSEUMと改め、頭文字の一部から「TOP MUSEUM(トップミュージアム)」を愛称とした。
「TOP」の文字のシンボルマークを手がけたのはグラフィックデザイナーの田中義久さん(42)。「写真は光で描くもの」ととらえ、光で文字を表現する方法を様々に試行した。
その中で次第に形となったのが、文字形のドアが手前に開いたような、白い壁と背景の影のコントラストで文字が浮かび上がる現在のマーク。空間的、立体的なアプローチが得意という田中さんらしい、館の内外の空間が感じられるデザインだ。
「光の扉というコンセプトに、来館者を迎えるポジティブなメッセージを感じました」と館の広報担当、平沢綾乃さん(36)は話す。英語で「top」は「上、頂点」の意味。「静謐(せいひつ)でクール」に表現されたマークに、TOPと名乗る自信をもらったという。
◆東京都写真美術館 東京都目黒区三田1の13の3(問い合わせは03・3280・0099)。(前)10時~(後)6時((木)(金)は8時まで、入館は30分前まで)。(月)((祝)の場合は翌平日)、年末年始休み。