水戸元祖 天狗納豆@水戸
茨城といえば納豆というイメージをつくったのが水戸の「天狗(てんぐ)納豆」。
水府(すいふ)は水戸の異称。江戸時代、生活の苦しい下級武士の内職として、藩内で生産される和紙などを使った水府提灯(ちょうちん)作りが盛んになったという。
伝統的な水府提灯は丈夫だが、作るには手間がかかる。一般的な提灯のように、骨となる竹ひごをらせん状に巻くのではなく、輪を一つ一つ作り、糸でつなぎ合わせていく。竹の節の凹凸がなく、きれいな円状に仕上げるには技がいる。鈴木隆太郎さん(64)は、1865(慶応元)年創業のこの店の7代目。「今はコスト面から大きいサイズしか作れず、飲食店用提灯の注文がほとんど」と話す。
店ではさまざまな種類の提灯を手がける。需要は盆提灯が一番多い。しかし、注文は1990年代を過ぎたころから減ってきた。時代に合った商品をと考え、9年前にLED使用の「すずも提灯」を発売。水戸・偕楽園の夜梅祭で好文亭に展示し、好評だった作品を元にした。「かつて生活に欠かせなかった提灯のように、現代の生活を照らしたい」と思っている。3月10日の夜梅祭で「すずも提灯」を置く。
(文・写真 土田ゆかり)
◆水戸市袴塚1の7の5(TEL029・221・3966)。午前9時~午後6時。(土)(日)(祝)休み(6月15日~8月12日は(水)休み)。水戸駅からバス。