水戸元祖 天狗納豆@水戸
茨城といえば納豆というイメージをつくったのが水戸の「天狗(てんぐ)納豆」。
今もなお約80棟の足袋蔵が残る埼玉県行田市。木綿の産地だったこと、中山道が近くを通ったことなどから、江戸中・後期に旅行用の足袋づくりが盛んになったとされる。
このまちで90年近く暖簾(のれん)を守るきねや足袋を訪ねると、10人の社員が専用のミシンを駆使して白足袋の各パーツを縫い上げていた。
蛇腹状に重ねた生地を金型で裁断、縫製し、仕上げに履き心地を整えるなどの全工程は、創業当時と変わらない手作業で、年間約80万足を仕立てる。ベトナムに設けた第2工場では、ベトナム産の天然ゴムをソールに用いた地下足袋も手がけている。
同社は裸足で走るランナーからの要望に応え、白足袋と地下足袋づくりの技術を応用したランニング用の足袋「MUTEKI」を5年前に開発し、話題になった。今年は、子どもの足の形成のために考案した外履き用の足袋を発売予定だ。3代目の中澤貴之さん(40)は「同じものを作っているだけでなく、長年築いた技術はどんな形でも残していかないと」と話す。
(文・写真 尾島武子)
◆埼玉県行田市佐間1の28の49(TEL048・556・6361)。午前9時~午後5時。(土)(日)(祝)(休)休み。吹上駅からバス。