秋山寛貴さん(お笑い芸人)
「マスク」(1994年) 何をやってもうまくいかない主人公・スタンリーがマスクをつけると、ハイテンションな超人に大変身し、アパートから外出するために大暴れする。
「マスク」(1994年) 何をやってもうまくいかない主人公・スタンリーがマスクをつけると、ハイテンションな超人に大変身し、アパートから外出するために大暴れする。
2年前に友だち伝いで「勘違いコントみたいな映画だ」とお薦めされて見ました。休暇用に買った別荘を改装するために来たタッカーとデイルと、居合わせた大学生たちが繰り広げるスプラッターコメディー映画です。
大学生のアリソンが湖で溺れそうなところを救出した2人ですが、他の大学生たちはそれを誘拐だと勘違いします。さらにそこから過去に惨殺事件を起こした殺人鬼だと思い込んでしまいます。タッカーとデイルを相手に、仲間を助けようと立ち向かいますが、運悪く(2人側からしたら運良くですが笑)何から何まで失敗し、自爆していきます。自滅の仕方が嫌に血なまぐさいので、何もしていない2人が殺人鬼だという勘違いは深まっていきます。反対にタッカーとデイルは、大学生グループの集団自殺に巻き込まれたと訳も分からず大慌て、というとんちんかんな状況が強く印象に残りましたね。イラストは、大学生に振り回され、戸惑いを隠せないタッカーとデイルの表情が伝わるように描きました。
話が進むに連れて、登場人物の一人が実は殺人鬼の子どもだったという、本人も知らなかった真実が明らかに。素直に受け止めきれず、うそで隠してきた親族に怒りがこみあげ、「こけにしやがって」と八つ当たり的にキレる描写があります。この思考回路、リアルですよね。心に迫るものがあります。客観的に見ると、大人たちの気遣いだと推し量れますが、いざ実際に自分がその立場だったら、同じ思考に陥ってしまうかも、と考えて仕方がないです。
(聞き手・片野美羽)
監督=イーライ・クレイグ
製作国=カナダ・米国
出演=タイラー・ラビーン、アラン・テュディックほか ころのすけ
2011年ごろ活動開始。Youtubeでミュージックビデオやアニメーションを制作。代表作にYOAOBI「あの夢をなぞって」など。 |