読んでたのしい、当たってうれしい。

JURINAさん
バル ペピート バスク風チーズケーキ

JURINAさん

 フラメンコのスペイン留学から帰ってきてダンサーとして駆けだしの頃に、「バル ペピート」さんで2年半ほどアルバイトをしていたんです。その時に店長が新メニューとして出したのがきっかけで、あっという間にお店の看板メニューになりました。バスクチーズケーキといえばスペインですが、私が留学していたセビリアという都市では見たことがなくて、日本で初めて食べました。普段は和菓子派の私が、唯一食べたいと思う洋菓子です。

 働いていた当時はワインと頼むとコショウもお好みでと声をかけてくれて、甘じょっぱく食べるケーキは新鮮で感動したことを覚えています。お酒と一緒に食べる禁断の楽しみ方です。

 店長も温かい方で、私が悩んでいる時は「食に関わる仕事をしている人間が腹をすかせてはいけない」と言って、私の好きな料理を出してくれました。

 当時は1年間の留学から帰ってきてスペインロスのような状態になっていたので、本場の味に近いペピートさんのスペイン料理を食べて、頑張ろう、と思っていた記憶があります。

 大きな本番を控えている時や何かに挑戦している時、自分のことを一歩前に押し出すために食べることが多いかな。私にとっては戦友のようなチーズケーキです。

                          (聞き手・斉藤梨佳)

 ◆東京都渋谷区恵比寿1の12の5萩原ビル3 1階(☎03・6277・4114)。900円。【後】2時~11時(【日】、【祝】は10時まで、ラストオーダーは1時間前)。【火】、第1・3【水】休み。


 じゅりな フラメンコダンサー。1991年静岡県出身。クラシックバレエなどのダンス経験を経て、2018年から本格的に活動を開始。フラメンコユニット「Los Topos」リーダー。

▼JURINAさんのロングインタビューはこちらからお読みいただけます
https://www.asahi-mullion.com/column/article/ggourmet/6115

(2024年7月18日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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