秋山寛貴さん(お笑い芸人)
「マスク」(1994年) 何をやってもうまくいかない主人公・スタンリーがマスクをつけると、ハイテンションな超人に大変身し、アパートから外出するために大暴れする。
「マスク」(1994年) 何をやってもうまくいかない主人公・スタンリーがマスクをつけると、ハイテンションな超人に大変身し、アパートから外出するために大暴れする。
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映画が大好きで、DVDの音声を聞きながら仕事をしています。この作品は、1度目はセリフで感動。2度目は画面も見て、一番のお気に入りになりました。
60歳を超えてもライダーとして夢を追った、実在の人物バート・マンローをモデルにしています。ニュージーランドで年金暮らしのバートは1960年代、自ら調整したバイク「インディアン」で世界最速記録に挑戦するため、米ユタ州のボンヌビル塩平原で開催される車とバイクのスピードレースを目指します。お隣に住む少年がバートに「事故死が怖くない?」と聞く場面が印象的でした。彼は「危険が人生に味をつける」と返す。怖いものに向かう時、私はそう言えるかと自問してしまいました。
バートが車で塩平原に向かう途中、若い兵隊を乗せて走るシーンも忘れられません。会話が尽きて話すことがなくなった2人が「この広告を」「しっかり読んでほしいのは」「モテない男たち」と、道沿いに並び立つシェービングクリームの広告を一緒に声に出して読む。なんとも良い雰囲気で、これからの日本も、若者とお年寄りがそういう時間を共有できるようになったらいいなと思います。
私が仕事に取り組む中で、プレッシャーに負けそうになる時はこの作品を見ます。遠い町から世界最速にチャレンジしたバートの姿に、勇気が湧いて来るんです。それと、好きなことに向き合えている幸せを忘れちゃいけないと教えてくれます。
聞き手・西村和美
監督・脚本=ロジャー・ドナルドソン
製作=ニュージーランド
出演=アンソニー・ホプキンスほか そら
1978年生まれ。JR北海道ICカード乗車券「Kitaca」などのキャラクターデザインを手がける。フェルトぬいぐるみのピクチャーブックも。 |