「なごみの米屋」のぴーなっつ最中 地元・千葉の名産、落花生が練り込まれたあんが詰まっていて、食べると地元で過ごした時間を思い出します。
8年前に栗菓子にハマり、義理の両親の薦めで足立音衛門を知りました。私が好きと知って以来、遊びに行くと出してくれます。
結構値が張るから手軽には食べられない。その分冷蔵庫にあるだけでテンションが上がりますね。大粒の丹波栗とヨーロッパ栗がぜいたくに詰まった生地に、ブランデーの香りと栗の甘み。生地を絶妙な食感に仕上げるにはバターをふんだんに使うんだろうけど、不思議と重さはありません。1日に半分までと決めても、つい食べ過ぎてしまいます。
日本には、お酒好きは甘いものを食べないというイメージが浸透していますし、「左党だから甘味は苦手なんだ」と言う人もいますよね。でも20代半ばにフランスに留学したら、ワインを飲みながらガトーショコラなんかをつまむのは、ごく普通のことだった。幼い頃は甘い物好きだったのに、成人してからスイーツ離れした私も、ステレオタイプにとらわれていたのだと気がつきました。
そこからスイーツを探求し始め、大好きだったお酒を完全にやめたので、日頃の気分を上げてくれるものはスイーツに。どんなものでも幸福感はありますが「天」は至福というか。食べると何げない日も特別に感じられます。
(聞き手・島貫柚子)
◆京都府福知山市の本店、里山ファクトリーのほか全国10カ所の百貨店で販売。1万1880円。☎0120・535・400([ 前]9時~[後]5時、1月1日休み)。オンラインショップでも購入可。
かやの・としひと 哲学者。津田塾大学総合政策学部教授。1970年生まれ。パリ第10大学大学院哲学科博士課程修了。著書に「国家とはなにか」(以文社)、「暴力と富と資本主義」(KADOKAWA)、「カント『永遠平和のために』」(NHK出版)など。