「なごみの米屋」のぴーなっつ最中 地元・千葉の名産、落花生が練り込まれたあんが詰まっていて、食べると地元で過ごした時間を思い出します。
約10年前にライブで京都に行ったとき、友達に誘われてイノダコーヒに行ったんです。高田渡さんの「コーヒーブルース」の歌詞に出てくる、三条堺町のイノダ。そのときレモンパイは売り切れだったんですが「絶対食べた方がいい」って、次の日友達が買ってきてくれて。食べてみたら本当においしくて、ときめきと言ったら大げさですが、そんな思いがずっと持続しているような感じです。
今でも京都に行くたびイノダに行きますが、何回食べてもつねに新鮮、つねに最高。香ばしく焼き上げたパイ生地、レモンのフレッシュジュース入りのカスタードクリーム、ふわふわのメレンゲの3層になっていて、口に入れたときのさわやかな香りとほのかな甘み、パイの香ばしさが合わさる瞬間。僕の中で完璧なバランスなんです。
関東ではデパートの催事で出店されることがあります。昔、シェアハウスしていた頃の仲間もレモンパイが大好きで、催事の時期はグループラインに情報が飛び交っていますね(笑)。
シェアハウス仲間の運転で京都に行き、ライブ後にみんなでレモンパイを食べたことも。音楽でうまくやっていけるか分からない青春に近い時期。そんな思い出の味でもあります。
(聞き手・片山知愛)
◆本店 京都市中京区堺町通三条下ル道祐町140(問い合わせは075・221・0507)。
(前)7時~(後)6時(ラストオーダーは30分前まで)。
630円。
横浜高島屋支店でも販売。テイクアウト可。
三条支店は改築工事のため休業中。
さわべ・わたる シンガー・ソングライター。
2006年、ソロプロジェクト「スカート」名義で音楽活動を始める。4作目のアルバム「SONGS」が発売中。27日、野外イベント「森、道、市場2023」(愛知県蒲郡市)に出演予定。