ふじのくに茶の都ミュージアム
稜線が白く浮き上がる富士山の手前に、緑の3本線で茶畑を表現した。数本の線を組にした「吹き寄せ」の縦じまは、小堀遠州が提唱した「綺麗さび」を意識。
「挑んだ建築」に衝撃を受けた
構想から40年近い時を経て2月にオープンした大阪中之島美術館。シンボルマークとロゴタイプは、アートディレクターの大西隆介(たかすけ)さんが手がけた。
モチーフは黒い直方体の建物。遠藤克彦さん設計の外観をCGで見たとき、「美術館といえば白。正反対の選択で挑んだことに衝撃を受けた」と振り返る。
建物の側面の一部はガラス窓で、切り欠いたL字や四角形が黒い長方形のアクセントになっている。じっと見つめるうち、切り欠きのイメージが「Nakanoshima」の「N」になっていったという。
どっしりしたマークに対して、文字は細く、軽やかに。館のアイデンティティーを高めることをねらって、オリジナルの「中之島フォント」をつくり出した。建物の比率に従った横長のマークに合わせてやや平たい書体で、親しみやすさも意識した。
WEBデザインや館内表示板のほか、開館記念展のビジュアルも大西さんが担当した。中之島フォントを大胆にあしらったポスターなどが、注目を集めた館の門出をさらに印象づけた。
◆大阪中之島美術館 大阪市北区中之島4の3の1(問い合わせは06・6479・0550)。午前10時~午後5時(入館は30分前まで)。原則[月]([祝]の場合は翌平日)休み。展示替えのため4月8日まで休館。