ふじのくに茶の都ミュージアム
稜線が白く浮き上がる富士山の手前に、緑の3本線で茶畑を表現した。数本の線を組にした「吹き寄せ」の縦じまは、小堀遠州が提唱した「綺麗さび」を意識。
わき出る1滴 やがて大河に
改修を終えて3月19日にオープンする泉屋博古館(せんおくはくこかん)東京(旧名・泉屋博古館分館)。本館にあたる京都・鹿ケ谷の泉屋博古館と共通のシンボルマークを初めて作った。
住友家収集の美術品を中心に保存、展示する館の名は、江戸時代の住友の屋号「泉屋(いずみや)」に由来する。デザイナーの梅本学さんが制作したマークは、コレクションを代表する中国古代青銅器に記された文字、金文の「泉」のイメージから生まれた。
岩穴から水がわき出し、やがて大河に。広く文化の発展に貢献し、訪れた人々の日常を豊かにしたいという美術館の思いを重ねてもいる。中央の縦の線は、両館名の「泉」の横線としても採り入れられた。
東京と京都でマークは共通だが館名の書体は異なる。「立地や所蔵作品、展示内容や訪れる人も異なる2館の個性を表したかった」と梅本さん。
よく見ると東京のほうは「古」の縦線が、下の「口」に少し突き出している。館長の発案で打たれた「小さなくさび」だ。「職員全員で何度も検討を重ねた自分たちのロゴ。大切にしたい」と同館職員。
◆泉屋博古館東京 東京都港区六本木1の5の1。午前11時~午後6時((金)は7時まで、入館は30分前まで)。(月)((祝)の場合は翌平日)、展示替え期間、年末年始休み。問い合わせは050・5541・8600(ハローダイヤル)。