水戸元祖 天狗納豆@水戸
茨城といえば納豆というイメージをつくったのが水戸の「天狗(てんぐ)納豆」。
江戸時代の人々も楽しんだ観光名所、江の島。展望灯台から岩屋洞窟に向かう途中の名勝地「山二つ」に、その店はある。
1902(明治35)年、島で代々続く駄菓子屋を営んでいた中村助次郎が、岩場ののりを見て土産物にと思いついたのが、名物の「元祖海苔(のり)羊羹」だ。白インゲン豆のあんに青のりを混ぜ込んだ羊羹で、口に入れると、のりの風味がふわりと香る。
「海を見ながら作る、江の島ならではのお土産ですね」と話すのは、店の4代目、中村憲昌(のりあき)さん(44)。幼少から島に暮らし、伯父でもある先代定夫さん(82)の後を継いで99年から店に立つ。
近年増えている外国人観光客の中でも、羊羹を好む人、「ソープ(せっけん)?」と間違える人など、反応は様々だ。憲昌さんは、気軽に味を試してもらえるよう羊羹を一口サイズにして販売。新商品作りにも取り組む。「島のことを聞かれたり、『新作は?』と聞かれたり。お客さんとの会話は菓子作りのモチベーションにもなっています」
(文・写真 渡辺鮎美)
◆神奈川県藤沢市江の島2の5の25(TEL0466・22・4214)。午前9時~午後6時。不定休。片瀬江ノ島駅から徒歩25分。電話注文も可。