水戸元祖 天狗納豆@水戸
茨城といえば納豆というイメージをつくったのが水戸の「天狗(てんぐ)納豆」。
着物の帯のように折りたためる幅広の麺、ひもかわうどん。織物で栄えた街、桐生の郷土料理の一つだ。
確かな由来はない。織物の仕事で忙しかった女性たちのため、薄くのばした形状にしてゆで時間を短くし、早く食べられるようにしたものとも、愛知県名物の「きしめん」の起源とされる芋川うどんの「いもかわ」がなまって伝わったものともいわれる。
店では、寒い時期に煮込みとして提供していた。通年で食べたいという客の要望に応えて、10年くらい前、先代の父がせいろメニューなどを考案。「ご当地グルメとして注目されて人気になった」と、創業約130年の店の6代目、藤掛将之さん(35)は話す。今では約9割の客が注文するという人気ぶりだ。
父が新メニュー考案後亡くなり、直接教わった期間は10カ月ほど。ようやく最近、常連客の声が励ましを込めた「おめえのうどんなんか食えねえ」から「おいしかったよ」に変わってきた。いつか「自分が考えたおいしいメニューを提供したい」と思っている。
(文・写真 土田ゆかり)
◆群馬県桐生市本町1の6の35(TEL0277・44・3791)。午前11時半~午後2時半、5時半~8時半((金)(土)(日)のみ)。(月)・第4(火)休み。桐生駅。