ラグマン（ラグメン）は主に中央アジアなどで食べられる麺のこと。羊肉や唐辛子、トマトなどの野菜がたっぷり入り、汁のありなし、入るスパイスなど地域によって様々です。これまでモスクワの空港やソウルのウズベキスタン料理店、ウラジオストクの市場の食堂など、旅先でみつけては食べてきました。

　１０年以上前に、ウイグル地域のラグマンを食べてみたくてみつけました。ここのは油っぽくなくて、日本人の口にあう味付けだと思います。麺に具材がのった汁なしのラグマンです。

　普段はウズベキスタン人の友人に教えてもらったレシピを元に自分で作っています。意外にも日本の冷凍うどんにぴったりの味なんです。羊肉の代わりに牛肉でも。クミンシードやワインビネガーがアクセント。物足りないなと感じたら、しょうゆで味がまとまります。だからでしょうか、異国の料理ですが、どこか懐かしい味がします。今では食欲のない時にも食べたくなる我が家の定番料理のひとつです。

　料理と同じぐらい器も好きで、旧ソビエト時代のウズベキスタン製とされるイカット柄のどんぶりを集めています。今はこの器でラグマンを食べるのが習慣に。いつか現地で食べたいと思いながら。

　◆東京都新宿区西新宿３の１５の８の１階（問い合わせは０３・６２７６・７７９９）。
　タリムラグメン（中）１２１０円。
　午後５時～午後８時（（土）（日）（祝）は正午から、緊急事態宣言を受けて営業時間変更中）。
　原則（月）休み。

　くちお・あさみ　料理研究家。
　世界各地を旅して出会った料理や雑貨、ライフスタイルを書籍やオンライン講座などで紹介。著書に「まだ知らない　台湾ローカル　旅とレシピ」（グラフィック社）など。