読んでたのしい、当たってうれしい。

WAKKUNさん
やさい食堂堀江座 堀江座のやさいカレー

 神戸でおいしい店? 誰にも身近なカレーはどうやろう? カレーで行きつけは5店ぐらいあるけど、中でも「やさい食堂 堀江座」は神戸・西元町にあったアトリエが近く、よくお世話になりました。
 どのカレーも体のことをしっかり考えてくれてるから、まずは「堀江座のやさいカレー」を食べてみて。知り合いから仕入れる葉物、お豆、お芋、根菜を18種類以上も重ね煮して、クミン、シナモンなどのスパイスを追加。自家製玄米甘酒と塩こうじで、めっちゃまろやかに仕上がってます。辛さは好みで調節。野菜のうまみが溶け込んでいて、原稿で徹夜した後なんかに食べたら、栄養がジワーッと体に染みていくのがわかりました。食後には「玄米甘酒豆乳ラテ」。これで栄養バランスもバッチリ。
 僕は人との出会いや出来事を墨で絵や言葉にして表現してるけど、飲食店でも働く人の気持ちやエピソードに心がひかれます。ここは親しいミュージシャンが続けて亡くなって落ち込んでいた時に、その仲間のCDを黙ってかけてくれて前向きになれた大切なお店です。店主さんも独立開業した時に苦労されていて、優しさと経験が味に出てる。震災から30年。おいしいものがいっぱいの神戸の街はずっと元気でいてほしいな。
(聞き手・鈴江元治)
 

 ◆神戸市中央区元町通6の3の3(☎080・7041・5711)。880円。午前11時半~午後7時、日曜休み。https://horieza.com


 わっくん 本名は涌嶋克己(わくしま・かつみ)。画家、イラストレーター、絵本作家。1950年生まれ、神戸市出身。「震災から30年 WAKKUNのもらった種とまいた種」を2月2日まで、神戸市灘区岩屋中町4丁目のBBプラザ美術館で開催中。

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