私の幼なじみが「三春」のおかみさんと知り合いで、そのご縁でいただいたのがきっかけです。茨城県産のブランドポークともち米、肉厚のしいたけが、ささの葉に巻かれた一品。たっぷり入った豚肉は、しっかり味付けされつつも甘すぎず、上品なお味です。お米からはささの香りがほんのり。もっちり感が程よく、もち米の重たい感じが苦手な夫も、気に入っています。冷凍でストックできるので、急な来客に小さなせいろで蒸し熱々で出すと、ちょっと手の込んだごちそうになり、助かります。

　小さい頃から食への興味が尽きませんでした。外で食べたものや料理本のレシピを、味を想像しながら作るのが好きなんです。だから今、自分の味を一冊にまとめて世に出せることがとてもうれしい。お会いしたことのない読者の方が気に入ってくださるかもと思うとワクワクするし、そのご家庭の定番になったら、こんな幸せなことはないと思っています。

　ただレシピ本の製作中は料理をし続けるので、「人の作ったものが食べたい……」と思う時もあります。自宅での打ち合わせや校正作業に何時間も没頭することも。お茶菓子だけでは物足りない、でも手間はかけられない。そんな時にこちらの一品はサッと出せる「ごちそう」なのです。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（聞き手・斉藤梨佳）

　◆茨城県日立市旭町２の８の１４（☎０２９４・２２・１５６７）。１５００円。ランチ【前】１１時半～【後】２時半、ディナー【後】６時～９時。原則【月】【火】休み（ディナーは【日】も）。完全予約制。詳細はホームページ参照。ささ巻きのご飯は電話やオンライン（https://miharu-hitachi.square.site/s/shop）で購入可。

　わかやま・ようこ　料理研究家。岡山県出身、TV、オンライン教室など、幅広く活躍。「フライパン蒸し煮」（主婦と生活社）、「丸めて、ほぐして、おいしさ広がる　ひき肉のごちそう」（KADOKAWA）など著作多数。インスタグラムは@yoochanpetite。