「中華そば紅蘭(こう・らん)」の中華そば 「ふるさとの思い出の味を食べたい。一緒に行く?」。5年ほど前にコンサートで山口県を訪れたとき、山口出身のマネジャー・山本さんがそう言って、連れて行ってくれました。
冬場に東京・調布の温泉でひとっ風呂浴びた帰り、このお店に寄ったことがありました。芸人の後輩と一緒だったので、まずは瓶ビールとグラスを二つ。ラーメン屋さんですが飲めるお店なのです。「かまバター土砂降り紅生姜」とか面白いつまみもあります。
福岡で生まれ育ちました。福岡吉本に所属し、ずっと福岡で活動できたらと夢見ましたが、なかなか芽が出ず、当時の相方と上京を決めたのが2008年。その頃からお世話になっている先輩が19年、芸人を辞めて福岡でラーメン店を開いたんです。長渕剛さんの大ファンなので「とんぼ」と屋号に付けて。4年後に姉妹店として東京進出したのがこのお店でした。手間暇かけているのがスープからも伝わってくる。嫌なくさみはなく、とても上品な豚骨。麺の硬さは「かた」で。替え玉も必ずします。
コンビは解散し、今はピン芸人として劇場に立っています。ネタは、日常の「言いにくそう」をヒントに考えたヘンな早口言葉のフリップ芸。「急にきゅうり9本食う子急増」とか「祖母ボソボソ祖父モフモフ」とか。グッとグルメもテンポがいいですね~。出来ました。「グッとグルメずっと見てるカットモデル」。早口芸は、スピード競技かのごとく言うのが大切です。
(聞き手・島貫柚子)
◆東京都杉並区下高井戸1の20の5(☎03・6875・8165)。950円。替え玉150円。麺の硬さは、ばりかた、かた、ふつう、やわめを選べる。午前11時~午後3時、5時半~10時半。(月)休み。インスタグラムは@menya_tonbo。
おおたに・けんた お笑い芸人。1985年生まれ。R-1ぐらんぷり2020準優勝。著書に「かむもかまぬも神だのみ めちゃヘンな早口ことば」(小学館集英社プロダクション)など。9月8日(日)(後)6時、ヨシモト∞ホールで大谷健太20周年単独ライブ「絵心」を開演。