コラム／グッとグルメ／一龍斎春水さんブールミッシュのバスク風チーズケーキ－朝日マリオン・コム

　駆け出しの声優だった二十歳のころ、先輩が六本木のレストランに連れて行ってくれました。ユダヤ人の女性が営む北欧風？ロシア風？料理の店で、デザートに頼んだのがチーズケーキ。ギュッとチーズが詰まった固めの食感で、素朴だけど巡りあったことがない「外国の味」でした。

　姉にも食べさせたくて案内したのが二度目。そして三度目に足を運んだら、店じまいしていたんです。

　もう口にできない、と思うと余計に食べたくなった。味はしっかり記憶していたので、似た味を探し始めました。街で目にとまったチーズケーキを買って、食べて、おいしいけど違う、を繰り返して50年あまり。昨年末、ついに新宿で出会ったんです。それがブールミッシュのバスク風チーズケーキでした。実はブールミッシュを創業した吉田菊次郎さんとは親しくなって35年にもなる間柄。こんな近くにあの味があったなんて、と二度びっくり。

　吉田さんが出演するテレビ神奈川のトーク番組のアシスタントに起用されたのがご縁の始まり。講談の世界に飛び込むときも応援してくれて、真打ち昇進披露の際はお客様代表として私と一緒に来賓の方々にあいさつもしてくれました。チーズケーキと吉田さん、縁の面白さ、深さをつくづく感じます。

（聞き手・桝井政則）

　◆ブールミッシュのオンラインショップ（https://boulmich.shop/）で通販用2700円（税込み）を販売。新宿高島屋店、大宮そごう店、和歌山近鉄店など一部の店舗にはプティサイズ465円（税込み）も。

　◆いちりゅうさい・はるみ　麻上洋子の名でデビューしアニメ「宇宙戦艦ヤマト」の森雪、「シティーハンター」の野上冴子などを演じた。1992年に講談師の一龍斎貞水に入門した。

スペシャルインタビュー　森雪から講談師に　麻上洋子から一龍斎春水に宇宙戦艦ヤマト放送開始50周年
https://www.asahi-mullion.com/column/article/ggourmet/6125

グッとグルメの新着記事

押尾コータロー
菜々人　一銭洋食焼菜々人風飾り気がなくて、その場でパパッとおいしいものを作ってくれる。そんなおっちゃんがカッコよくて

河北裕介さん
かずさ和牛工房　自家製和牛ハンバーグ　小学生の子どもにもっと野菜を食べさせるには鍋が一番だと思って、具材に使うおいしいお肉を探していた時に出会ったのが、千葉県の「かずさ和牛工房」さんでした。

回文はジャンプする
回文家コジヤジコさんインタビュー回文家のコジヤジコさんは、「回文だからこそ、時にすごくジャンプしたような表現が生まれる」と言います。

ヘアメイクアップアーティスト・河北裕介さん　ロングインタビュー相手の個性を生かし、そのポテンシャルを最大限に生かす「河北メイク」は、かねてより数々の女優やモデルから絶大な支持を得ています。

新着コラム

春奈先生の独断性教育第６回　ＡＶはファンタジー、目の前の相手と向き合ってイラストレーター・平泉春奈さん（春奈先生）の描き下ろしイラストと一緒に、性のお悩みを解決するコーナー。

私の描くグッとムービーおくさん（イラストレーター・漫画家）
「七人の侍」（１９５４年）侍と百姓が一丸となって戦う様が印象的だったので、彼らの理念を描ければな、と。

マリオンTimes フィギュアへの愛が生んだひと冬の物語映画「ぼくのお日さま」が9月13日から全国で公開される。吃音のある小学6年の少年（越山敬達）、フィギュアスケートに打ち込む中学1年の少女（中西希亜良）、夢を諦めた元フィギュアスケート選手（池松壮亮）という3人の、ひと冬の心の成長、抱える痛みや迷いを、美しい光とさえた空気の中で描いた秀作だ。

美博ノートアトリエの中の母子自宅に隣接したアトリエは、陶器工場の作業場を改造。瀬戸の風景や陶工を描いた。