秋山寛貴さん(お笑い芸人)
「マスク」(1994年) 何をやってもうまくいかない主人公・スタンリーがマスクをつけると、ハイテンションな超人に大変身し、アパートから外出するために大暴れする。
「マスク」(1994年) 何をやってもうまくいかない主人公・スタンリーがマスクをつけると、ハイテンションな超人に大変身し、アパートから外出するために大暴れする。
結婚76年目の夫婦の姿を通して、日常の中にはこんなにも小さな幸せがあるんだと教えてくれるドキュメンタリー映画です。韓国の人里離れた川のほとりでつつましく暮らす、98歳のおじいさんと89歳のおばあさん。2人がただそこにいるだけでお互いを思う気持ちが伝わってきて胸が熱くなり、自然と涙が流れていました。冒頭10分で「いい作品に出会えた」と感じたのを覚えています。
何度見ても大好きなのが、おじいさんが摘んできた黄色いお花をおばあさんの髪に飾ってあげるシーン。「かわいくてすてきだよ」と言われたおばあさんが「しわだらけの顔だよ」と照れながらも、本当にうれしそうな顔をしていて。こんな一瞬で愛って見えるものなんだと憧れを抱きました。長い時間をかけてこそ築かれる「究極の愛」がリアルに存在することに、多くの人が希望を持てるんじゃないかなと思います。
「初雪を食べると耳がよくなるんだよ」と食べさせ合うのを見て、自分以上に相手を思う尊さやせつなさ、大好きな人が目の前にいてくれるだけで幸せなことに気付かされます。「いてくれてありがとう」と抱きしめたくなる思いを届けられるように、大切な人と一緒に見てほしい映画です。
誰にでも人生の川が流れていて、ゆっくり流れることもあれば、滝のように激しい時もある。この絵の後ろにずっと続いている長い川を、2人は一緒に流れてきた気がしています。もともと映画を見て絵を描くのが好きなんです。どこで自分の心が動いたのか残しておきたくて。後で昔の自分にも出会えますからね。
(聞き手・斉藤由夏)
監督・撮影=チン・モヨン
制作=韓国
出演=チョ・ビョンマン、カン・ゲヨル なお
1995年福岡県生まれ。ドラマ、映画、舞台と幅広く活躍。4月2日公開の「劇場版 シグナル 長期未解決事件捜査班」に出演する。 |