「マスク」(1994年) 何をやってもうまくいかない主人公・スタンリーがマスクをつけると、ハイテンションな超人に大変身し、アパートから外出するために大暴れする。
この物語は、脳神経科医オリバー・サックスの回想録が基になっています。
研究職を希望した病院で、人手不足から神経病の臨床医を任されてしまうセイヤー。動きや反応を示さない患者に先任医師らが手をこまねく中、嗜眠性(しみんせい)脳炎(眠り病)の後遺症だと突き止めます。パーキンソン病治療の新薬に望みを託し、30年あまり半昏睡(こんすい)状態のレナードや同じ症状の患者に投与すると、次々と「目覚め」の奇跡が起こる。でも、薬の効果は徐々に薄れ……。
見終えた後味は良くも悪くも言い難いんですが、ヒューマンドラマの切なさってのは忘れられへんですね。この作品と出会ったのは20歳の頃で、当時はロビン・ウィリアムズが演じるセイヤーに感情移入していました。医師と患者の友情、普通の人からすればたわいない時間が、二度と戻らない過去になるのがやるせなかったですね。特に、レナードが回復して無邪気に海ではしゃぐ場面が刹那(せつな)的。
自分が子を持つ親になって顧みると、レナードの母親の気持ちに傾倒してしまう。親目線で見たら、もひとつ感動するやないかって。会話ができずとも、風貌(ふうぼう)が変われども、我が子は可愛いもの。一時でも、人生を取り戻した息子の姿を見ることができて、母親はうれしかったんじゃないかな。イラストには、そんな「悲しみの中に見る小さな光」を目覚めのシーンに重ねました。要は、大切な人の幸せが自分の幸せってこと。真面目な話でテレちゃう。
聞き手・井本久美
監督=ペニー・マーシャル
原作=オリバー・サックス
製作=米 出演=ロバート・デ・ニーロ、ロビン・ウィリアムズほか 1976年生まれ。漫才コンビ・シャンプーハットのボケ担当。小学館の漫画アプリ「サンデーうぇぶり」で連載中の「パパは漫才師」を8月に単行本で出版。
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