秋山寛貴さん(お笑い芸人)
「マスク」(1994年) 何をやってもうまくいかない主人公・スタンリーがマスクをつけると、ハイテンションな超人に大変身し、アパートから外出するために大暴れする。
「マスク」(1994年) 何をやってもうまくいかない主人公・スタンリーがマスクをつけると、ハイテンションな超人に大変身し、アパートから外出するために大暴れする。
一歩間違えば核戦争が起きかねなかった、1962年のキューバ危機の実話に基づく社会派ドラマ。僕が現代史に興味を持つきっかけになった作品です。
ケビン・コスナー演じる大統領特別補佐官、ケネディ大統領、その弟のロバート司法長官の3人を中心に、キューバに持ち込まれた核ミサイルを撤去させるまでの13日間の攻防が描かれています。印象的なのは、国連安全保障理事会のシーン。米国大使が、核ミサイルの持ち込みを認めないソ連大使に、その有無を「イエスかノーか」で答えるよう迫ります。映画的な演出も手伝って痛快でした。
初めて見たのは学生のころ。映画監督志望で映画を見まくっていた当時、もっと興奮や感動した作品があったのに、今回これを選んだのは自分でも意外です。最近の世界情勢の影響かもしれません。中距離弾道ミサイルなど、ニュースで聞き覚えのある単語が出てきてハッとさせられます。キューバ危機は決して古い歴史ではなく、僕らが生きている時代でも起こりうることなんだな、と。
イラストは、メインの3人と、米国大使、海上封鎖を提案する国防長官を描きました。作中で「正義」として描かれている5人です。正直、米国を正義、ソ連を絶対的に悪とする描写はどうなのかなとも思います。だけど、映画としてエンターテインメントに徹することで間口が広がり、歴史を学ぶきっかけにもなる。そういうのも意義がありますよね。
聞き手・星亜里紗
監督=ロジャー・ドナルドソン
製作=米
出演=ケビン・コスナー、ブルース・グリーンウッドほか
たけだ・よしふみ
1982年生まれ。名古屋市出身。雑誌「BRUTUS」や作家吉田修一のエッセー本の挿絵などを手がける。 |