秋山寛貴さん(お笑い芸人)
「マスク」(1994年) 何をやってもうまくいかない主人公・スタンリーがマスクをつけると、ハイテンションな超人に大変身し、アパートから外出するために大暴れする。
「マスク」(1994年) 何をやってもうまくいかない主人公・スタンリーがマスクをつけると、ハイテンションな超人に大変身し、アパートから外出するために大暴れする。
ウディ・アレンが演じる主人公のアイザックは、TVのライターをやめて作家を目指している42歳。2度の離婚歴があり17歳の彼女がいるのに、親友の不倫相手で編集者のメリーにもひかれ始めます。マンハッタンでの恋愛劇です。
ニューヨークに在住して31年になりますが、初めて見たのは、暮らし始めた頃の1986年。57丁目の今はない古い映画館でした。ウディ・アレンが好きでそれから4、5回は見ています。彼はニューヨークが舞台の映画が多いですよね。今の時代のマンハッタンじゃない懐かしい匂いがするように思います。
偶然パーティーで再会して気が合ったアイザックとメリーは、夜のマンハッタンを散歩します。夜明けのクイーンズボロ・ブリッジを、ベンチに座って眺めているシーンが好きで、この場面を猫2匹に替えてモノクロで描いたことがあります。ガーシュインの音楽も広がりがあっていいですね。セントラルパークで2人が雨に降られるシーンも好きです。モノクロの映画なのに、画面に色があるように感じます。
絵は、私が初めて飼った猫のフェデリコです。19歳で逝きましたが、ニューヨーク暮らしの相棒でした。手前は、マンハッタンといえば思い浮かぶ消火栓。場所によって色や趣が違うのが面白くて、街中の消火栓をスケッチして歩いたことがあります。この映画には猫は出てきませんが、ふっと現れてくるような雰囲気がありますね。
聞き手・清水真穂実
監督・共同脚本・出演=ウディ・アレン
製作=米
音楽=ジョージ・ガーシュイン
出演=ダイアン・キートンほか
くげ・たかし
1948年京都府生まれ。2018年8月、東京・銀座の伊東屋で、猫たちとの暮らしを描いた18回目の個展開催と新作品集の刊行を予定。 |