秋山寛貴さん(お笑い芸人)
「マスク」(1994年) 何をやってもうまくいかない主人公・スタンリーがマスクをつけると、ハイテンションな超人に大変身し、アパートから外出するために大暴れする。
「マスク」(1994年) 何をやってもうまくいかない主人公・スタンリーがマスクをつけると、ハイテンションな超人に大変身し、アパートから外出するために大暴れする。
日本から遠く離れたカリブ海に浮かぶ小さな島国、キューバのハバナが舞台。長く忘れられた老音楽家たちが、米国人のギタリスト、ライ・クーダーに見いだされ、セッションを通して異文化交流をするドキュメンタリーです。
1990年代後半、米国の経済封鎖や国交断絶など世界から隔離された状態が続く中、キューバの伝統音楽を豊かに紡ぐ人たちがいたことに感動しました。過去の華やかな活躍や生きることのつらさなど、それぞれに人生を振り返りながら、歌い、楽器を奏でる姿はタイムカプセルに入った宝物のようです。
来年の春、キューバで展覧会に参加することになり、その雰囲気を知りたくて見たんです。奈良出身で山形に来て9年。日本はキューバと同じく欧米中心の世界から見ると周辺部。その日本の地方で、この場所だからできる美術に取り組んでいます。この絵は、日本国旗をイメージして日本とキューバの地図を、和紙に墨と胡粉(ごふん)で描きました。日本画は、水を媒介に表現する、自然とのセッション。地図を逆さにすることで、日本の都市と地方の見え方が変わる気がします。
映画の最後、彼らはニューヨークで晴れ晴れしいステージに立つ。うれしいことだけど悩ましくて。世界はどんどんフラットになっていくんですね。でも、僕がいる東北はまだまだ手つかずの宝物がある。だからこれからも地方で、ずっと美術を奏でる側にいたい。彼らの姿に勇気をもらいました。
聞き手・石井久美子
監督=ヴィム・ヴェンダース
製作=独・米・仏・キューバ
出演=ライ・クーダー、イブライム・フェレールほか みせ・なつのすけ
1973年生まれ。山形を拠点に活動。東北芸術工科大教授。学生たちと共同で大画面の絵画を制作する「東北画」に取り組む。 |