「マスク」(1994年) 何をやってもうまくいかない主人公・スタンリーがマスクをつけると、ハイテンションな超人に大変身し、アパートから外出するために大暴れする。
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この映画は、一冊の本が開かれ、お城の挿絵が実写へと変わる演出で、美しいおとぎ話の世界へ入っていきます。
青の国では、王と王妃が仲むつまじく暮らしていました。ある時、王妃が病に倒れ「私より美しい女性と再婚して」と言い残して亡くなる。そんな女性はおらず、王は自分の娘に求婚する。困惑した王女は結婚を諦めさせるため、妖精の助言で難題を提案。晴れた空色のドレス、輝く月色のドレス、輝く太陽の色のドレスを要望する。この色のたとえは、私の作品の色彩に豊かなインスピレーションを与えました。
王女はことごとく願いをかなえる王からロバの皮を被って逃げ、森の中で豚飼いとして暮らし始めます。魔法の力によって、森へと導かれる赤の国の王子。小屋の中の王女に一目で恋に落ちる。王女が鏡越しにその王子を見る場面は最も美しく魅惑的です。物語の鍵となる、王女が王子へ「愛のケーキ」を作る場面は、レシピを歌うメロディーに心が弾みます。愛がかなうように、こっそり指輪をケーキに入れる。私も作品を見る人への贈り物として、そっと指輪を忍ばせてある。見つけて頂きたいですね。
王女が口ずさむ「どんな愛でも私は愛が好き」という歌詞があります。王女のように、数奇な運命をたどりながらも、愛の力を信じ、望み、愛を引き寄せる、そんな強さに共感します。この言葉をオウムが3回繰り返すのも、メッセージを感じます。
聞き手・笹木菜々子
監督=ジャック・ドゥミ
製作=仏
出演=カトリーヌ・ドヌーブ、ジャック・ペラン、ジャン・マレーほか よこお・みみ
6月に東京・代々木上原の「dish tokyo gastronomy cafe」で作品を展示予定。そのほか、東京や関西でも個展を開催予定。 |
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