新訂万国全図 東半球・西半球(写)
日本が中央に。江戸の最先端世界地図。
ガラス質の釉薬(ゆうやく)で色や模様を施した12個の立方体。「タイル素地と釉薬が織りなす鮮やかな色味、つや感、ヒビのような模様の風合いが魅力」と、INAXライブミュージアム学芸員の高橋麻希さんは話す。釉薬をぽってりと落としたり、たらしたりと動きのある着彩も特徴だ。
「小さな旅」と名付けられた本作は造形作家・石井春がミュージアム構内のやきもの工房で制作、今展が初公開となる。
ポルトガルで石井が学んだアズレージョは粘土板を正方形に裁断、素焼きした後に釉薬で彩色して焼成する。「日本とは土や釉薬、気候も異なる。本作は日本だからこそ作ることができた」と石井は話す。
アズレージョに魅せられたのはポルトガルへの旅がきっかけだった。「旅には冒険、挑戦、出会い、夢。人生に大事なすべてが詰まっている」という。