新訂万国全図 東半球・西半球(写)
日本が中央に。江戸の最先端世界地図。
東山魁夷 1976年
紙本彩色 54.0×73.0㌢
メナード美術館蔵 5月21日まで展示
針葉樹がうっそうと茂る山から、雲が湧き立つ。日本画家・東山魁夷(1908~99)が青系の濃淡で描いた幽玄な山の景色は、1975年に奉納された奈良・唐招提寺御影堂障壁画の「山雲」を思わせる。
山に魅せられ、雄大な自然を多くモチーフとしてきた魁夷。後に「東山芸術の到達点」と称された障壁画の制作準備のため、日本各地の山や海を訪ねて回ったという。「山雲」の取材地は岐阜県や長野県とされており、本作も日本の普遍的な景色が題材となったようだ。「魁夷ならではの陰影で画面を神秘的に作り上げている」と館長兼学芸課長の村上久美さん。
メナード美術館開館35年を記念した今展は、1600点超の所蔵品から35人の作家を紹介するシリーズ展の第3弾。国内外12作家の作品を軸に展示する。