新訂万国全図 東半球・西半球(写)
日本が中央に。江戸の最先端世界地図。
マルセル・ブロイヤー 1925年
縦72.4×横80×高さ72.4センチ 豊田市美術館蔵
金属パイプとキャンバス地でできた直線的なデザイン。ドイツの造形学校バウハウスの1期生として学び、後に教官にもなったマルセル・ブロイヤー(1902~81)が20代のころに生み出した。
自転車のハンドルをヒントにしたといわれる。家具といえば職人が作る木製が当たり前だった当時、金属を主材料に組み立て・解体が容易で大量生産に向いた画期的な椅子だった。
これが置かれた場所の一つにフランスの建築家ロベール・マレ=ステヴァンが手がけた南仏のカジノ施設がある。「フランスのモダンデザインを牽引したマレ=ステヴァンが、最新のドイツデザインを即座に採り入れていたのが興味深い」と、学芸員の千葉真智子さん。
ブロイヤーとバウハウスの同僚だった画家のワシリー・カンディンスキーが愛用したことから、後に「ワシリーチェア」と名付けられた。マイナーチェンジしながら現在も製造販売されている。