象限儀
全国測量の旅で伊能忠敬も愛用。正確な地図作りに欠かせない道具
森林に恵まれた日本。古来、木材を組む工法「木組」で、小物入れから大規模建築に至るまで、様々なものをつくり上げてきた。本展は、部材をばらすことで職人の精緻(せいち)な技と意匠を浮き立たせる。
1673年に建設された、山口県岩国市の5連アーチ「錦帯橋」。両端は桁を橋台で支える桁橋、中央3橋は木材を弧状に積んでせり合わせた迫持(せりもち)式の構造からなる。この模型は、長さ35メートルほどの迫持式アーチを1/2・5の縮尺で部分再現。桁と楔(くさび)をずらしながら重ねることで、美しい曲線を描く。主催する竹中大工道具館の学芸員・植村昌子さんは「造形の美に加え、熟練の技からは職人の誇りも感じられます」と話す。
9日(日)午後1時15分、平成の架け替えで棟梁(とうりょう)を務めた海老崎粂次さんによる講演も(当日先着120人)。