新訂万国全図 東半球・西半球(写)
日本が中央に。江戸の最先端世界地図。
16世紀末のイタリアに現れた天才画家カラバッジョ(1571~1610)。本展は、光と影の描写と生々しい写実表現でローマに衝撃を与えたカラバッジョ作品約10点と、その影響を受けた画家たちの作品約30点で構成する。
本作は25歳ごろの初期作品。すでに圧倒的な画力を誇っていた。花瓶には部屋の窓が映り込み、少年の肌は白くなめらか。少し開いた口からは歌が聞こえてきそうだ。視覚のみならず、リュートは聴覚、みずみずしい果物や花は味覚と嗅覚、なめらかな指先は触覚と、「五感を刺激しようとしたのでは」と学芸員の保崎裕徳さんは話す。
光の演出も巧みだ。左上から差し込んだ光が明暗のコントラストを際立たせている。
画家は後半生、殺人を犯し逃亡生活を送りながら傑作をいくつも生み出していく。