新訂万国全図 東半球・西半球(写)
日本が中央に。江戸の最先端世界地図。
平安時代の書の名人・小野道風(おののとうふう)が生まれたと伝わる愛知県春日井市。同市道風記念館が、所蔵する書作品から、昭和、平成の時代を代表する作家の作品を紹介する。
1951年に書家として初めて日本芸術院賞を受賞した川村驥山(きざん、1882~1969)。極限まで文字を崩す草書の一つ「狂草体」で漢詩「詩人所賞是風姿 今朝伴吾清吟処」を書いた。ポンと打った点から始まり、流れるように書き進める。墨を継ぎ、大きく太い線で「今朝」を書いた後、太さを戻して一気に結ぶ。同館学芸員の鈴川宏美さんは、「一瞬一瞬判断しながら感性で書き上げています。意志と筆が一体となった名人の作です。『酔仏』という別号もあった驥山。この作品も酔って書いたのかもしれません。生き方も作風も自由な魅力に満ちていますね」と話す。