新訂万国全図 東半球・西半球(写)
日本が中央に。江戸の最先端世界地図。
東アフリカでは「シェタニ」という神話や伝説上の妖精が広く知られており、マコンデの人々はこれをモチーフにした彫刻を多く制作している。「悪魔」を意味するアラビア語に語源を持つシェタニは、気まぐれに人を困らせたり助けたりする存在で、多くは大きな目や口、むき出しの歯、といったおどろおどろしいイメージで表現される。
作者不明のこの作品は、線状の手足やデフォルメされた目鼻口が異形の造形だが、「シェタニというよりは『妖精』と呼ぶ方がふさわしい、モダンでソフトな作品ですね」と水野恒男館長は話す。妖精が結ばれている様子を抽象的に表現しており、「性をテーマにしているが、下品な印象を与えない。芸術的な表現が面白い作品だと思います」。