新訂万国全図 東半球・西半球(写)
日本が中央に。江戸の最先端世界地図。
神社の狛犬といえば、主流は石造りや木彫。しかし陶磁器産地の東濃地方では、陶製の狛犬を奉納していた。本展には、岐阜県土岐市や近隣市の神社に伝わる47体が一堂に会する。
狛犬は神様の守護獣として、獅子や山犬をモデルとしてきた。江戸時代にはその容姿が多様化。阿形(あぎょう)と吽形(うんぎょう)の一対で伝わる本作は、小木曽庄九郎作といわれる。愛嬌(あいきょう)のある表情とリラックスした姿勢が特徴だ。
胴体部分に奉納者名と制作年が、台座側面には作者名が刻まれている。学芸員の鍋内愛美(まなみ)さんは「焼成前に刻銘された形跡から、受注生産だったことが分かる」と話す。村の代表者が、鳥居の建て替えなどの機会に奉納したと推察されるという。