新訂万国全図 東半球・西半球(写)
日本が中央に。江戸の最先端世界地図。
約900年前に制作された「源氏物語絵巻」。徳川美術館では現存する絵画19場面のうち15場面を所蔵し、毎年秋に公開。今年は、額面装になっていた絵と詞書(ことばがき)を一場面ごとにつなぎ再び巻物装に修理した7場面と、修理前の3場面を順次展示する。
12月2日まで展示中の本作は、玉鬘(たまかずら)の2人の姉妹が中庭に咲く桜の所有権を巡り、碁を打つ華やかな春の場面。夕闇が迫り、縁先に場所を移した様子を蔵人少将(くろうどのしょうしょう)が垣間見る。姉妹は御簾(みす)に隠れ、女房たちがそれぞれに応援をしている。
斜め上から室内を表現する「吹抜(ふきぬき)屋台」様式でとらえた建物、詳細に描かれた調度品や衣装などに「平安時代の人たちはリアルを感じていたんです」と学芸部長の四辻(よつつじ)秀紀さんは話す。