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美博ノート

「春風」/「秋の錦」

ザ・対決! 比べて感じる日本画(桑山美術館)

「春風」/「秋の錦」

 近代の日本画約250点を所蔵する桑山美術館。今展では、同じテーマで描かれた日本画を複数並べ、見比べて楽しめる。

 まずは「美人画」対決。京都の女性画家・上村松園の「春風」(1940年頃)=写真上=と、東京で活動した画家・鏑木清方の「秋の錦」(48年)=同下。「解説を読む前に、自分はどちらが好きか、それはなぜか、考えてみてください」と同館学芸員の前田明美さん。

 松園が描く女性は、着物や髪形がおしゃれで、気品がある。清方は、手のひらの紅葉を見つめる様子が物憂げで、物語の一場面のようだ。「松園は、同性ならではの視点がうかがえる。清方は男性なので、色白で細面、どこか儚(はかな)げで守ってあげたくなるような、自分が理想とする女性像を描いたのかもしれません」

(2018年4月17日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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