新訂万国全図 東半球・西半球(写)
日本が中央に。江戸の最先端世界地図。
宮脇綾子(1905~95)はドクダミを愛し、繰り返し作品のモチーフに用いた。
葉脈や葉の質感を、かすりの模様を使って絶妙に表現している。根の形など、細かい部分の造形もリアルだ。植物の構造を図鑑などで調べ、実物を何度もスケッチするなど徹底的にモチーフと向き合っていたという。
彼女が一番好きだった布は藍染め。小さいはぎれもたんすに収めて、どこに何が入っているかすべて記憶していた。
会場には、さしみを取った後のカレイや、カボチャ、畑に植えられたネギなどの作品が並ぶ。彼女は、日々の暮らしに登場する食材などを題材に選んだ。「日常を、こんなにも魅力的にとらえていたのかと驚かされる。視点を変えれば、毎日が楽しくなると教えてくれているようです」と奥村綾乃学芸員。