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美博ノート

「菊花御紋章入コーヒー碗皿」

幻のナカヤマ 華麗なる洋食器の世界(多治見市美濃焼ミュージアム)

「菊花御紋章入コーヒー碗皿」

 1990年、ナカヤマは宮内庁から、現天皇の即位式に使うコーヒーカップ&ソーサーを受注した。「皇太子だった頃から、ナカヤマの洋食器を普段使われていたことがご縁となったそうです」と美濃焼ミュージアム所長の渡部誠一さん。

 それまで約100年間使われていたのは、仏・セーブルの食器。そのデザインを踏襲して、さらに菊の紋章の追加を頼まれたという。白地には、宮内庁が入手した当時のセーブルの素地をしのぐ、高品質なボーンチャイナを使用。転写した金彩は、すぐはがれることのないように、通常11%のところを35%の金が施された。「100年ぶりのご注文ということで、少なくとも100年は持つものにしたいという当時の中山保夫社長の熱意が伝わってきます」

(2017年5月30日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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