新訂万国全図 東半球・西半球(写)
日本が中央に。江戸の最先端世界地図。
江戸・日本橋から京・三条大橋まで約492キロメートル。「東海道五拾三次」は浮世絵師、広重(1797~1858)の代表作だ。本展では、三菱東京UFJ銀行貨幣資料館所蔵の保永堂版55点に類作の行書や隷書などを加え、旅の楽しみを紹介する。
江戸時代、庶民の旅の目的は、お伊勢参りを名目とした「物見遊山」。一番の目当ては、その土地のおいしい名物を味わうことだった。
本作は、東海道で最も小さな宿場、鞠子(現静岡市駿河区丸子)が舞台。梅の花が咲く早春、茶店で名物とろろ汁を食する旅人が描かれている。ヤマイモをすり下ろし、だし汁と合わせて麦飯にかけたとろろ汁は、滋養のある食べ物として人気があったようだ。グルメが楽しみなのは今の旅と変わらない。