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美博ノート

「花環の中の聖母の結婚」

ブリューゲルとバロックの巨匠(岡崎市美術博物館)

 


美博ノート
ヨハネ・パウロ2世美術館蔵

 

 色とりどりの花や、みずみずしい果実が彩るのは、マリアとヨセフの結婚の場面。本作はブリューゲル兄弟の弟、ヤン・ブリューゲル1世が手がけた。しかし、ヤンが描いたのはまわりの静物の部分だけで、人物の部分は別の画家が担当した。

 当時、共同制作はよくあった。それぞれが得意な分野を担当することで、数々の傑作を生み出したのだ。ヤンは当時から「花のブリューゲル」と呼ばれるほど、花や動物、森林風景の描写に優れており、巨匠ルーベンスとも共作している。

 並外れた描写力で、名声を博したヤン。やがて、ネーデルラント(オランダ・ベルギーなどの地方)の宮廷画家にのぼり詰め、後世の画家たちにも影響を与えた。

(2016年11月15日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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