新訂万国全図 東半球・西半球(写)
日本が中央に。江戸の最先端世界地図。
|
19世紀 イギリス 約15センチ四方 |
イスラム圏で装飾タイルに多用された幾何学模様は、やがて産業革命後のイギリスで新たなデザインに発展する。
「19世紀末に流行したイスラム趣味とアールヌーボーが融合し、図形に植物の柄を組み合わせるようになりました」と主任学芸員の竹多格(たけだいたる)さんは話す。
交差する円の中心に花のような図案が配された本作は、表面に別の色の粘土をはめ込んで焼く象嵌のタイル。植物の葉のような模様がみえるが、先端には魚の頭が。「植物と動物を曲線でつなげ、グロテスクと呼ばれる装飾様式の一種を表現しています」。タイル生産が工業化され、描線はシャープに。幾何学模様の美しさを際立たせた。