新訂万国全図 東半球・西半球(写)
日本が中央に。江戸の最先端世界地図。
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砂岩(部分) |
安らかな表情で座禅を組むブッダ。両目を開き、両手はへその下でゆったりと重ね合わせる。頭上には七つの頭を持つ蛇王ナーガ。とぐろを巻き、鎌首をもたげて頭を大きく広げる。
一見ブッダに襲いかかっているようだが、そうではない。1週間降り続く雨の中、瞑想(めいそう)の修行を続けるブッダを、傘となって雨風から守っているのだ。
高さ88センチの本作は、アンコール王朝(9~15世紀)時代、11世紀に作られた。「ナーガの上のブッダ」は、インドや東南アジアで繰り返し彫像に使われたモチーフで、円錐(えんすい)状の頭頂部や、びっしりと彫り込まれた渦状の螺髪(らほつ)が特徴だ。
これら仏教やヒンドゥー教の石造りの神々は、王朝が滅亡した後も、深い熱帯雨林の中でひっそりと信仰されたという。