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美博ノート

ジュリアン・オピー
「魚にまじって泳ぐクリスティーン2」

タグチヒロシ・アートコレクション 
てくてく現代美術世界一周(岐阜県美術館)

 


美博ノート
2002年 ©Julian Opie

 

 アンディ・ウォーホルや奈良美智、会田誠らの代表作から南米やアジアの若手の作品まで、世界のアートのいまが見渡せる展示だ。

 本作は家族と訪れたバリ島での体験から生まれた。魚の群れを横切るように水中を泳ぐ女性のなめらかな動きが、抽象化された線でもいきいきと伝わってくる。

 親しみやすい作風はストリート出身の米国の作家キース・ヘリングらに近いと思われがち。地下鉄の駅に描いた落書きで注目を浴びたキースに対し、現在もロンドンを拠点にするオピーは生身のモデルを撮影した画像などから、最小限の線を取り出して生命のリアルさを追求する。浮世絵のコレクターでもあり、その影響も感じさせる。似ているようでアプローチは全く違う1958年生まれのふたり。会場で見比べてみてほしい。

(2015年3月18日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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