ムード歌謡とロシア民謡は、まったく異なる性格のものですが、僕は両方好きでした。実際にどちらもブームで栄えていました。
ロシア民謡ではないけど、マヒナスターズの「北上夜曲」という曲があって。実はダークダックスも歌っていて、全く同時代だから競作しているんです。マヒナスターズとダークダックスという両極端なグループが同じ曲を歌っていることが、時代を象徴している気がします。
歌声喫茶から生まれた大ヒット曲なんです。歌声喫茶だけでなくナイトクラブでも両方で歌われたみたい。キャバレーと呼ばれるものの原型がナイトクラブ、ダンスホールですかね。昭和45年ごろからはやりだした。お客さんが歌うのではなく、ボーカルが入った生バンドの演奏で踊って、男女が口説きあう場みたいな。
自分のように昔にさかのぼってムード歌謡やロシア民謡を聞いてる人ってあまり会ったことないです。僕が、自分が生まれる前のブームだったものを自然に好きになっていたというのは本当に不思議で、前世がその時代だったんじゃないかって思えちゃうくらいなんです。
(聞き手 大野紗弥佳)
・玉置宏……司会者、元文化放送アナウンサー。TBS系「ロッテ歌のアルバム」の司会(1958~79年)を担当した。 |
たぶれっと・じゅん
歌手、芸人。1974(昭和49)年8月31日、3人きょうだいの末っ子として相模原市に生まれる。小学生の頃、台所で母が聞いていたAMラジオをきっかけに昭和歌謡に深く親しむ。高校卒業後は古書店や介護職、歌声喫茶の勤務を経て27歳の時に「和田弘とマヒナスターズ」に加入する。解散後はソロとなり、「ムード歌謡芸人」としてライブや漫談、ラジオパーソナリティーなどで活躍中。 |
タブレット純のポスターを5人に、 ※応募には朝日マリオン・コムの会員登録が必要です。以下の応募ページから会員登録を行って、ご応募ください。
→終了しました。たくさんのご応募ありがとうございました。 |