ふじのくに茶の都ミュージアム
稜線が白く浮き上がる富士山の手前に、緑の3本線で茶畑を表現した。数本の線を組にした「吹き寄せ」の縦じまは、小堀遠州が提唱した「綺麗さび」を意識。
古賀メロディーが生まれた場所で
数々のヒット作を生み昭和歌謡史に名を刻む作曲家・古賀政男(1904~78)の旧宅跡に立つ古賀政男音楽博物館。音楽を志す者が集まる「音楽村」をつくりたいとの遺志を継ぎ、79年に前身の古賀政男記念博物館が開館、97年にリニューアルした。
マークのモチーフは、館内に一部が移築保存された旧宅に残るステンドグラスだ。38年に自宅を建てる際、古賀は邸内の随所に音楽を連想させる装飾を採り入れた。ト音記号や音符をちりばめた廊下のステンドグラスもその一つで、みずからデザインを指示したという。
養子で館長も務めた作曲家・山本丈晴(1925~2011)が、古賀の音楽への思いを端的に表現できる、とモチーフにすることを提案。ステンドグラスに使われる2色で彩ったマークとなった。
館には展示施設のほかホールやカラオケスタジオもある。主任学芸員の宮本紘視さんは「音楽好きが集う場所を望んだ古賀の思いが反映できているのでは」と話す。
◆古賀政男音楽博物館 東京都渋谷区上原3の6の12(問い合わせは03・3460・9051)。午前10時~午後5時(入場は30分前まで)。原則(月)、展示替え期間、年末年始休み。